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同じ1.2という視力でも、「何となく見える1.2」と「鮮明に見える1.2」には違いがあり、さらに厳密な光や色の識別感度を調べる検査に、コントラスト感度テストという検査があります。レーシック手術後は、このコントラスト感度が低下するという経過があり、コントラスト感度低下の原因の一つとして収差の増加があげられます。 |
収差とは、個人の個体差(眼球全体を一つの光学系とみた場合のゆがみを表す指標です。例えば暗闇で一点の光を見た時に、収差が少なければ光は収束したシュープな点に見えますが、収差が大きければ光はにじんで見えます。当院では、術前の検査で、患者様個々の収差の度合いを高精度な検査機器によって検知し、収差が大きい場合は収差軽減効果の高いウェーブフロント・レーシックやアスフェリック・レーシックを第一選択として、手術プログラムをシュミレーションします。 |
収差が低いケース |
収差が高いケース |
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ウェーブフロント・レーシック(Wave-front LASIK)とは |
従来のLASIKは「近視」+「乱視」を治すのに対して、ウェーブフロント・レーシックは「近視」+「乱視」+「個人の個体差(眼球全体を一つの光学系とみた場合のゆがみ:収差)」を検知してレーザーで削って行きます。これを、カスタム・アブレーションといいます。これにより、術後の光のにじみが従来のLASIKに比べて少なく「視力の質」の向上が得られるのです。以下に、ウェーブフロント・レーシックによる高次収差軽減効果が評価された論文、また京都府立医科大学眼科、稗田牧先生の発表(2002年第45回日本コンタクトレンズ学会)を掲載いたしまいた。 |
「ウェーブフロントによるレーシックではコントラスト感度が上昇」提供:Medscape
比較試験の結果 【3月1日】ウェーブフロントによる(WFG)レーシック(LASIK)では標準的レーシックよりも術後1カ月のコントラスト感度が有意に改善されるというプロスペティブ(前向き)非ランダム化比較臨床試験の結果が『Ophthalmology』3月号に発表された。 「レーシックは裸眼視力の改善率が高いものの、視力の質を低下させ、その結果として夜間視力の明瞭度の低下、グレア、および光輪視が報告されている」と筆頭著者であるHadassah大学病院眼科(イスラエル、エルサレム)のIgor Kaiserman, MD,MScはニュースリリースで述べている。 「これはコントラスト感度低下の結果であり、強度の近視の患者ではこの低下が大きくなる。コントラスト感度が低下する一因には、レーシック手技により引き起こされた高次収差の増大がある」とKaiserman博士は述べている。「WFG測定により、より正確かつ詳細な視覚系の収差分布図が得られるため、WFG レーシックではこうした収差が低減し、それにより視力の質が改善する」。 この研究では受診順に13例の24眼をWFG レーシックで治療し、12例の22眼を同一期間にわたり標準的レーシックで治療した。 術前のベースライン時点では両群の最高矯正視力(BCVA)は同程度であった(WFGレーシック群0.99±0.03、標準的LASIK群0.98±0.04)。術前のコントラスト感度も両群とも同程度であった。 手術1カ月後、裸眼視力、BCVAのいずれについても両群間に統計的有意差は認められなかった。裸眼視力1.0(20/20)以上の割合は、WFG レーシック治療眼では72%、標準的LASIK治療眼では70%であった。 しかし、コントラスト感度の測定値は、標準的レーシック群(40%)よりWFGレーシック群(88%)の方が有意に改善された。コントラスト感度の測定値は、WFGレーシック群では7.2%、標準的LASIK群では28%低下した。 平均すれば、コントラスト感度の改善度は標準的LASIK群よりWFG レーシックの方が有意に大きかった(34.3%±4.3% 対 1.5%±3.2%、p=0.0002)。 「個人に合わせたウェーブフロント治療は従来のレーシックに起因する高次収差を最小限に抑えることから、これを屈折矯正術に取り入れるべきである」とロチェスター大学医療センター(ニューヨーク)のScott MacRae, MDはニュースリリースで述べている。「個人に合わせた治療はレーシックの安全性を高めるとともに、一部の患者はこれによりコントラスト感度が大きくなるため、視覚がより鮮明になる」 「WFG レーシックでは不整角膜または切除領域の偏心といった合併症を有する眼の矯正だけでなく、高次収差を矯正することによって、よりよい最終視力を得ることもできる。WFG レーシックの利点と問題点を十分に評価するためには、より大規模な患者群を対象に、種々のレーザーシステムを用いて、より長期にわたる追跡調査を行う試験を行う必要がある」と著者らは結んでいる。 Ophthalmology. 2004;111:454-457 原文: Comparative trial finds that wavefront-guided LASIK results in increased contrast sensitivity. At one month postsurgery, the difference between groups was not statistically significant for either uncorrected visual acuity or BCVA. Uncorrected visual acuity of 20/20 or better occurred in 72% of eyes treated by WFG LASIK compared with 70% of eyes treated by standard LASIK. However, contrast sensitivity measurements were significantly improved in the WFG LASIK group (88%) compared with the standard LASIK group (40%). Contrast sensitivity measurements decreased by 7.2% in the WFG LASIK group compared with 28% in the standard LASIK group. On average, the improvement in contrast sensitivity was significantly higher in the WFG LASIK group than in the standard LASIK group (34.3% ± 4.3% vs. 1.5% ± 3.2%; P = .0002). "Customized wavefront treatments should be incorporated into refractive surgery practices because they minimize higher-order aberrations that are created by conventional LASIK," commented Scott MacRae, MD, from the University of Rochester Medical Center in New York, in a news release. "Customized treatments make LASIK safer and allow some patients to have sharper vision with greater contrast sensitivity." The authors conclude, "WFG LASIK...promises not only to correct complicated cases with irregular corneas or decentered ablations, but also to achieve a better final visual acuity by correcting high-order ocular aberrations. Further studies involving larger groups of patients, longer follow-up periods, and various laser systems are necessary to evaluate fully the advantages and limitations of WFG LASIK." Ophthalmology. 2004;111:454-457 |
ジンポジウム[最新屈折矯正法・Which is the best?] 「 L A S I K 」京都府立医科大学眼科 稗田牧先生 |
LASIKの最新の知見ということで、主に波面収差について紹介する。データは、我々の関連施設や協力クリニックにおいて手術した1346眼中についての、レーシック(LASIK)の成績である。レーシック(LASIK)は、矯正量が大きいほど多く削る必要があり、軽度近視、中等度近視、高度近視に分類してデータを見てみる。術後3ヶ月の裸眼視力は、軽度、中等度では1.0以上が90%、強度でも75%と、非常に高い矯正精度のあることが分かる。0.5以上であれば、軽度・中等度では100%に近い。その効果は、年半の経過観祭では90%以上が1.0以上の視力を維持している。しかし強度近視では、矯正視力にばらつきがでる。矯正視力の低下症例は、1300眼中10眼、術後1年で400眼中5眼があった。3ヶ月後、角膜上皮障害、ドライアイによって視力が低下しているものが6眼あったものの、非常に少ないといえる。安全性では、角膜内皮細胞は術後1年の300眼をみてみたが、健常眼とまったく差がないという結果だった。 レーシック(LASIK)が安全で精度が高いということは分かったが、他の矯正法と比較するために、波面収差を調べてみた。波面収差センサーは角膜の不正乱視を測定することができる。特にコマ収差や球面収差などが、高次収差の中で重要な位置を占める。この収差がどのような変化を示すかという1例として、遠視矯正と近視矯正でどのように収差が変わるかということを示す。遠視矯正の場合は周辺部を削り、近視矯正は中央部を削るが、瞳孔径6ミリで、術前術後にどのような変化があったかを比べて見た。高次収差の変化だが、遠視矯正でも近視矯正でも術前はあまり変化がないが、術後は、遠視矯正では中央部が低く、その周辺部が高くなるような収差になるが、近視矯正は普通の球面収差のような形になる。遠視矯正レーシック(LASIK)の術後の球面収差はマイナス方向に変化し、近視矯正レーシック(LASIK)の術後の球面収差はプラス方向に変化していた。角膜の削り方によって球面収差の変化が違うという一例である。正の球面収差があるとむしろ像の質が良いことがシミュレーションで分かり、負の球面収差では遠視がある場合に像の質が良くなるということで、球面収差の性質によって網膜部に与える影響が違うということがいえる。 さらに、ソフトCLとレーシック(LASIK)の高次収差について比べてみた。ソフトCLは一ヵ月定期交換型の終日装用レンズで、装用前、1週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月で測定した。結果は、装用前に比べて装用後の有意な差は認められなかった。ただ、装用前後で有意に変化している収差もあった。それは球面収差と垂直コマ収差である。当たり前のことだが、センタリングの悪い例では収差が増えていることも分かった。レーシック(LASIK)で高次収差が増えるということは分かっているので、波面収差センサーを使用して、波面収差の増加を減らそうというウェーブフロントガイデッドレーシック(LASIK)という方法も取り人れられようとしている。コマ収差の多い人にウェーブフロントガイデッドレーシック(LASIK)を行うと、コマ収差が減るという結果も示されており、すべての収差を減らすことは今のところできないが、収差をも矯正できるLASlKも出始めているということである。波面収差を検討に加えながら屈折矯正を評価していけば、その人にとってなにがベストかという選択が、今後さらに明らかになるのではないだろうか。 以上は、日本コンタクトレンズ学会で発表された稗田先生の講演内容です。稗田先生のご協力のもと、当院HPへ掲載させて頂きました。 吉野眼科クリニック院長吉野のコメント 当院のエキシマレーザーは本文中に述べられているウェーブフロントガイディットレーシック(LASIK)可能なB&L社製のケラコ(テクノラス)217Zで、収差を減らすことはもとより、強度近視や乱視の強い方への適応が拡大しました。 |